十分/平溪線 – 台湾鉄道と天灯上げの旅

平溪線 – 南国の自然を楽しめる台湾鉄道の旅

十分 が位置する平溪一帯は昔、炭鉱が多く点在していたため、石炭運搬のために平渓線が整備されました。平渓線はほぼ基隆河(キールン川)の支流に平行して走るので、渓谷の景色と南国のゆったりした雰囲気を楽しめます。

特に先頭車両の運転室の近くに乗ると、山道は未知のジャングルに入っていくテーマパークの乗り物のようでワクワクします。子連れは先頭車両の運転室の近くがおすすめです。

十分 – 古い街並みと天灯上げの町

十分は地形的に広い台地であるため、炭鉱が栄えていた時、線路沿いに多くの炭鉱住宅(長屋建て)が建てられました。炭鉱が衰退した今日、古い街並みの素朴な風情に魅せられ、十分は多くの人々が訪れる観光地となりました。

古い街並み、家々の間を列車が進む光景のほか、毎年の「元宵放天燈」(ランタン上げ)イベントも十分の名物です。十分の駅周辺にはランタン上げの店がたくさんあるので、天気のいい日はランタン上げを挑戦してみてください。

十分周辺には「十分瀑布」「靜安吊橋」「台灣礦業文化休閒生態村」などの観光名所もあるので、こども連れの場合、周辺も散策するとほぼ一日かかります。

また、平渓線は単線で列車の本数が少ないので、ゆるい計画が良いです。午前9時ごろに台北駅を出発すると、十分周辺の散策後はちょうどお昼ごろになります。昼食はご当地料理の「土雞綠竹筍」「蘇炒小魚干」「炒秀珍菇」を堪能してください。

行き方

十分へ行くには二通りの方法があります。

台北駅 → 瑞芳駅 → 十分駅

台北駅で普通列車に乗って瑞芳駅まで行き、十分駅までの列車に乗り換えます。瑞芳駅から十分駅の鉄道は単線ですので、列車の本数が少なく、余裕をもって行動した方が良いです。

なお、台北駅から瑞芳駅までは50分ほど要するので、子連れでリラックスして乗車したい場合は、台北駅の窓口で指定席の切符を買ってください。

木栅駅 → 十分遊客中心

台北捷運(MRT)木柵駅で降りて、平溪行き(795番)の台北客運バスに乗り、十分遊客中心(十分旅客センター)で降ります。

十分瀑布 – 台湾のナイアガラ

十分瀑布は平渓線の十分駅と大華駅の間に位置し、台湾のナイアガラとよばれるほどの滝です。

落差20m、幅40mでそれほど大きな滝ではないが、水量が多く、晴れた日は滝口に虹が見られます。付近は散策するための歩道が整備されていて、滝の脇を通って下りられます。

なお、十分瀑布は十分駅と大華駅の間に位置するが、大華駅から滝までは歩道が整備されていないので、十分瀑布へ行くには十分駅からアクセスしてください。

子連れ旅行後記

筆者は2017年夏、こどもを連れて十分を散策しました。初めは九份観光を検討したが、九份は山腹にあって、狭い路地である上、人込みで歩きづらいので、諦めることにしました(※わが子は疲れるとすぐに帰ろうや抱っこと予想されるため)。こどもは古い街並みの散策よりも、鉄道や自然散策が楽しいので、十分観光に決めました。

鉄道で十分に向うには、まずは台湾鉄道で瑞芳駅まで行き、瑞芳駅で平渓線に乗り換えます。台北駅から瑞芳駅までは急行列車 – 莒光號で50分ほど。列車内で車窓から南国の景色を眺めたり、台北駅で買った駅弁を食べたりして、非日常的で鉄道の旅を楽しめました。

瑞芳駅で下車した後、改札口のある向かい側のプラットホームに渡り、平渓線の乗車エリアに進んで十分行きの列車を待つ。瑞芳駅の出発後、しばらく渓谷の変わった形の河岸を眺めていたが、山間部に入ると密林が現れます。密林をわけて進む列車は、テーマパークでジャングルの乗り物のようで大人も楽しめました。

十分駅に着いたら、十分の古い街並みを散策し、天気が良ければ天灯上げを体験すると良いでしょう(※筆者が訪れた際はあいにくの雨…)。

十分の散策は、子どもも大人も楽しめる観光コース。子連れ旅行におすすめです。