新型VWポロ試乗 – Golfユーザーから見たインテリアと装備

新型ポロ(AW型)は2018年3月にフルモデルチェンジされ、街中でもちらほらと見るようになりました。今回モデルチェンジした新型ポロは3ナンバーになり、外観はゴルフかと見間違うほどになりました。

VWゴルフのような3ナンバーのコンパクトカーを好む者として、気になる新型ポロを一週間ほど試乗したので、これを機に試乗感想をまとめました。室内空間と走りは「新型VWポロ試乗 – Golfユーザーから見た室内空間と走り」で紹介しているので、この記事は新型ポロのインテリアと装備を中心に紹介します。

新型ポロのインテリア

今回試乗した新型ポロはエントリーモデルの「TSI Trendline」。初期型のエントリーモデルですので、インテリアも装備も必要最小限。

運転席に座り、目の前に広がるダッシュボードはドイツ車らしく機能的。インストルメントパネルはフォルクスワーゲンいつものデザイン、左にタコメーター、中央にマルチインフォメーションディスプレイ、右にスピードメーターが配置されています。

前席のシートはゴルフに比べて少々ホールド性が悪く感じるが、体格にもよるので、ご参考程度!ハンドブレーキグリップあたりのドリンクホルダーはシンプルなデザイン、ゴルフとの格差を感じます。

残念なことに、「TSI Trendline」のステアリングホイールとハンドブレーキグリップはレザーではなく樹脂であるため、インテリア全体の質感が低下。これらのパーツをレザーにするだけで質感が向上するので、一つ上のグレード「TSI Comfortline」がおすすめ。なお、シフトノブはレザー、手になじんで操作しやすい。

VW新型ポロの車内
室内空間はドイツ車らしく機能的。“Composition Media”は電源OFF時、時計表示が可能。

新型ポロの装備

エントリーモデルでも必要な装備が完備

最新モデルを試乗すると、いつも技術の進歩を感じさせられます。以前は上級モデルのみ備われる装備も今は標準装備になり、試乗したのが新型ポロのエントリーモデル「TSI Trendline」とは言え、一部の機能は筆者のゴルフⅥ「TSI Comfortline」よりも上です。

表1で分かるように、「TSI Trendline」でも必要な装備がすべて備われていて、追加するのはETCだけです。

表1 「TSI Trendline」と「TSI Comfortline」の装備
装備TSI TrendlineTSI Comfortline
予防安全装置
リヤビューカメラ“Rear Assist”
ディタイムランニングライト
ドライバー疲労検知システム
“Fatigue Detection System”
プリクラッシュブレーキシステム“Front Assist”
プロアクティブ・オキュパント・プロテクション
ESC
ABS
ブレーキアシスト
衝突安全装置
フロントエアバッグ
サイドエアバッグ(前席)
カーテンエアバッグ
二次被害防止装置
エマージェンシーストップシグナル
アクティブボンネット
ポストコリジョンブレーキシステム
盗難防止装置
イモビライザー
視界
オートライト
リアフォグランプ
レインセンサー
電動格納式リモコンドアミラー
自動防眩ルームミラー
空調
エアコンディショナー手動2ゾーンフルオート
オーディオ/ナビゲーション
インフォテイメントシステム
“Composition Media”
モバイルオンラインサービス
“Volkswagen Car-Net”
MEDIA-IN
6スピーカー
機能装備
BlueMotion Technology
(Start/Stopシステム、ブレーキエネルギー回生システム)
カミングホーム&リービングホーム
チルト&テレスコピックステアリング
快適装備
センターアームレスト(前席)
メーター回り
タイヤ空気圧警告灯
シート/内装
後席シート可倒式分割可倒式
ステアリングホイール樹脂レザー
ハンドブレーキグリップ樹脂レザー
シートバックポケット(運転席/助手席)
タイヤホイールスチールアルミ

オーディオもカーナビも“Composition Media”

新型ポロには8インチの大型タッチスクリーンパネルのインフォテイメントシステム“Composition Media”が標準装備されています。車の情報設定、オーディオおよびカーナビはこのシステムで操作します。システムの操作は直観的でわかりやすく、スマートフォンを使ったことがある人なら、説明がなくても使います。

“Composition Media”の起動はタッチスクリーンパネルの左にあるツマミスイッチを押します。起動後のタッチスクリーンパネルから使いたいメディアを選択すれば、ラジオや音楽を楽しむことができます。なお、CDプレーヤーとSDカードスロットはグローブボックス内に配置されています。

カーナビは地図アプリを利用

新型ポロは従来のように、カーナビ機器を装備するのではなく、「Google マップ」または「Apple CarPlay」などの地図アプリをカーナビとして利用することを前提にしています。

スマートフォンに地図アプリ「Android Auto」または「Apple CarPlay」をダウンロードし、MEDIA-IN端子に接続してアプリを立ち上げれば、“Composition Media”はカーナビに早変わり。後は音声で操作すれば、目的地まで案内してくれます。

名の知れたブランドのカーナビ機器は、工賃を含めて最低5万円ほどの費用を要します。更にその後の地図データ更新費用、およびカーナビ機器搭載技術が古くなることを考えると、地図アプリを利用するのは経済的かつ今後の主流だと思います。

なお、カーナビに地図アプリを利用するのはフォルクスワーゲンだけではありません。アウディ、メルセデスベンツ、ボルボ、アストンマーチン、マセラティなどの輸入車、および日産、ホンダ、スズキ、スバル、三菱などの国産車の一部車種にも採用されています。

新型ポロのインストルメントシステム“Composition Media”
「Google マップ」をカーナビとして利用した道路案内

感想

ポロはゴルフより対象年齢層が若いため、インテリアは少々ポップに感じます。しかし、それはMINIのように車がユーザーを選ぶほど個性的なものではないので、どなたが乗ってもおかしくはありません。

試乗した新型ポロはエントリーモデル「TSI Trendline」でしたが、装備は一通り備われていて、追加するのはETCだけになります。車両価格210万円ほどでこれほどの輸入車が購入できるので、筆者も心が揺れました。

個人的な見解ですが、車は長期にわたって使うものなので、視覚と感性にかかわるインテリアは妥協しない方がよい。購入の際は輸入車らしい上質感を求めて、「TSI Comfortline」がおすすめです。

「TSI Comfortline」の車両価格は230万円ほどですが、「レザーステアリングホイール」「レザーブレーキグリップ」だけでなく、「リヤビューカメラ」「アルミタイやホイール」「オートライト」「レインセンサー」「フルオートエアコンディショナー」なども標準装備されるので、「TSI Trendline」より20万円高いが、価格差以上の価値があります。なお、「TSI Trendline」は受注生産なので、ディーラーに在庫がないとかなり納期がかかります。

新型ポロ「TSI Trendline」の空調はダイヤル式
「TSI Trendline」のエアコンは運転席/助手席独立調整式フルオートエアコンではない。